遺言とは
遺言とは、ご自身の守ってきた大切な財産を、最も有効・有意義に活用してもらうために行う、遺言者の意思表示です。
遺言がないために、相続を巡り親族間で争いの起こることが少なくありません。
遺言は、そのような争いを防止するため、遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続を巡る争いを防止しようとすることに主たる目的があります。
遺言の方式
遺言は、遺言者の真意を確実に実現させる必要があるため、厳格な方式が定められています。その方式に従わない遺言はすべて無効になってしまいます。
遺言の方式には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
それぞれに長所・短所がありますので、十分に理解したうえで、選択することをお勧め致します。
遺言のないときは
遺言のないときは、民法が相続人の相続分を定めていますので、これに従って遺産を分けることになります(法定相続)。
民法は、「抽象的に相続分の割合を定めているだけ」なので、遺産の帰属を具体的に決めるためには、相続人全員で遺産分割の協議をして決める必要があります。
協議がまとまらない場合には、家庭裁判所で、調停又は審判で解決してもらうことになりますが、これも、争いが深刻化して、解決が困難になる事例が後を絶ちません。
遺言で、具体的に決めておけば、争いを未然に防ぐことができるわけです。
法定相続は、比較的一般的な家族関係を想定して設けられていますから、それぞれの具体的な家族関係に当てはめると、相続人間の実質的な公平が図られないという場合も少なくありません。例えば、子供の頃から遺言者と一緒になって家業を助け、苦労や困難を共にして頑張ってきた子と、そうではなくあまり家に寄りつきもしない子とでは、それなりの差を設けてあげないとかえって不公平ということもできます。
遺言者が、自分のおかれた家族関係をよく頭に入れて、その家族関係に最もぴったりするような相続の仕方を遺言できちんと決めておくことは、後に残された者にとって、とてもありがたいことであり、必要なことだと思います。
遺言の必要性が高いケース
ほとんどの場合において、遺言者が、ご自信のおかれた家族関係や状況をよく頭に入れて、それにふさわしい形で財産を承継させるように遺言をしておくことが、遺産争いを予防するため、また後に残された者が困らないために、必要なことでしょう。
遺言はいつするべきか
遺言は、死期が近づいてからするものと思っておられる人がいますが、人は、いつ何時、何があるかも分かりません。いつ何があっても、残された家族が困らないように配慮してあげるのが、遺言の作成ということなのです。
遺言は、自分が元気なうちに、愛する家族のために、自分に万一のことがあっても残された者が困らないように作成しておくべきものなのです。遺言は、判断能力があるうちは、死期が近くなってもできますが、判断能力がなくなってしまえば、もう遺言はできません。
遺言は、人の最終意思を保護しようという制度ですから、訂正や取消し(撤回)は、いつでも、また、何回でもできます。
遺言は、作成したときには、それが最善と思って作成した場合でも、その後の家族関係を取り巻く諸状況の変化に応じ、訂正や撤回したいと思うようになることもあると思います。さらに、財産の内容が大きく変わった場合にも、多くの場合、書き直した方がよいといえるでしょう。
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